農業委員会とは — 役割・どこにある・いつ関わるか
最終更新: 2026-08-24
農業委員会は、農地に関する事務を専門に担う市町村の行政委員会です。 農業委員会等に関する法律に基づき、原則すべての市町村に置かれ、 事務局は市役所・町村役場の中にあります。 農地を売る・買う・貸す・借りる・転用する・相続した—— どの場面でも最初か途中で必ず関わる相手なので、役割を知っておくと手続きが速くなります。
農業委員会がやっていること
| 仕事 | あなたが関わる場面 |
|---|---|
| 農地の売買・貸借の許可(農地法3条) | 農地のまま売る・買う・貸す・借りるとき。許可を出すのは農業委員会自身 |
| 農地転用(4条・5条)の受付・意見送付 | 転用したいとき。申請書の提出先(許可権者は都道府県知事等)。市街化区域の届出の受理も |
| 農地台帳の整備と公表(eMAFF農地ナビ) | 相続などで所有者が変わったときの届出先(相続を知ってから10か月以内) |
| 利用状況調査・利用意向調査(遊休農地対策) | 農地を使わず置いているとき。意向調査を放置すると課税強化(約1.8倍)につながり得る |
| 受け手のあっせん・利用調整 | 売り先・借り手を探すとき。地域の規模拡大農家の心当たりを持っている |
どこにある?連絡先の探し方
- 農地の所在地の市町村役場にあります(自分が住んでいる市町村ではない点に注意)。
- 市町村の公式サイトで「農業委員会」を検索するのが確実です。
- 全国の農業委員会の活動情報は、全国農業会議所の 農業委員会活動整理カード から市町村ごとに辿れます(外部サイト)。
- ジオ農地の市町村別ページにも、都道府県の農地バンクなど公的な相談先をまとめています。
場面別 — いつ農業委員会に行くか
- 売りたい・貸したい — 最初に行く先。地域に受け手がいるか、実勢はどうかを聞く (農地売却の方法)。
- 買いたい・借りたい — 3条許可の要件(常時従事など)と、候補地の状況を確認する。 新規就農なら就農相談と並行。
- 転用したい — 事前相談で立地の見通しを聞いてから申請へ (費用の全体像)。
- 相続した — 相続を知ってから10か月以内に農業委員会への届出 (農地相続の6つの選択肢)。
相談を一度で済ませる準備
農業委員会への相談で最初に聞かれるのは「農地はどこの、どの区画か」「どうしたいか」です。 行く前に次の3点を確認しておくと、話が一度で進みます。
- 場所と地番 — 地番が分からなければ推定地番で当たりを付ける方法
- 立地 — 市街化区域か・農用地区域(青地)の可能性があるか(地図のスコアカードで参考情報を確認)
- 希望の出口 — 売る・貸す・転用・手放すのどれか(迷っているなら出口チェックで整理)
委員の選ばれ方(2016年改正後)
かつての公選制は2016年の制度改正で廃止され、現在の農業委員は 市町村長が議会の同意を得て任命します。 あわせて、現場で農地の集約・遊休農地の解消などの利用調整を担う 農地利用最適化推進委員が置かれています。 「地域の顔役の集まり」ではなく、農地法の許可・調査の実務を持つ行政機関、というのが実像です。
よくある質問
農業委員会とは何ですか?
農地に関する事務を担う市町村の行政委員会です(農業委員会等に関する法律に基づき、原則すべての市町村に設置)。農地の売買・貸借の許可(農地法3条)、農地転用の受付と意見送付、農地台帳の整備、遊休農地の調査などを行います。市役所・町村役場の中に事務局があります。
農業委員会はどこにありますか?
農地がある市町村の役所・役場の中に事務局があります(「農業委員会事務局」という課名が一般的)。連絡先は市町村の公式サイトで「農業委員会」を検索するか、全国農業会議所の「農業委員会活動整理カード」から市町村ごとのページを辿れます。相談は農地の所在地の農業委員会へ——住んでいる市町村ではない点に注意してください。
農業委員会には誰でも相談できますか?
できます。農地を売りたい・貸したい所有者、買いたい・借りたい農業者や新規就農希望者、転用を検討している人など、農地に関わる相談の一次窓口です。無料で、地域の受け手(規模拡大中の農家など)の心当たりや実勢価格の感覚など、公開データには無い情報を持っています。
農業委員会から利用意向調査の通知が来ました。無視するとどうなりますか?
農業委員会は毎年、管内の農地の利用状況を調査し、遊休農地の所有者に利用意向調査を行います。回答しない・意向どおりに利用しない場合、農地バンクとの協議勧告の対象になり、勧告を受けた遊休農地は固定資産税の課税強化(評価上おおむね1.8倍)の対象になり得ます。貸す・売る・自分で耕作するのいずれかの意思表示をするのが得策です。
農業委員はどうやって選ばれますか?
2016年の制度改正で公選制は廃止され、市町村長が議会の同意を得て任命します。あわせて現場で農地の利用調整を担う農地利用最適化推進委員が置かれています(区域により委嘱)。
参考: 農業委員会等に関する法律、農地法。農業委員会の連絡先の一次情報は各市町村の公式サイトをご確認ください。 「農業委員会活動整理カード」(全国農業会議所)へのリンクは案内のためのもので、内容の転載はしていません。 区域などの表示は公的オープンデータを加工して作成した参考情報であり、実際の筆界・権利関係・最新状況を示すものではありません。
本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の手続きは必ず市町村の農業委員会等の窓口でご確認ください。