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農地法4条・5条とは — 転用許可の違い・流れ・市街化区域の届出

最終更新: 2026-08-24

農地を農地以外(宅地・駐車場・資材置場・太陽光など)にすることを農地転用といい、 農地法の4条5条がその許可を定めています。 違いはシンプルで、誰が転用するかです。

3条・4条・5条の早見表

条文 何をするとき 申請者
3条 農地のまま売買・貸借する 隣の農家に畑を売る 売り手と買い手(許可は農業委員会)
4条 自分の農地を自分で転用する 自分の畑に自宅・駐車場を作る 所有者本人
5条 転用を目的に売買・貸借する 宅地にする前提で買い手に売る 売り手と買い手の連名

「転用してから売ればいいのでは」と思われがちですが、転用目的の売買は最初から5条の対象です。 4条で転用してから売る形にしても、実態が転用目的の譲渡なら5条許可が必要になります。

市街化区域は「届出」で済む

市街化区域内の農地は、あらかじめ農業委員会に届出をすれば許可は不要です(4条・5条とも)。 届出は許可のような審査ではないため、期間も費用も小さく済みます。 一方、市街化区域以外(市街化調整区域・非線引き・都市計画区域外)はすべて許可制です。 自分の農地がどちらかは地図のスコアカードで参考情報を確認できます。

許可申請の流れと期間

  1. 事前相談 — 農地がある市町村の農業委員会に、場所・転用目的を伝えて見通しを聞く
  2. 申請書の提出 — 農業委員会へ(受付締切は月1回が多い)。添付は登記事項証明書・公図・土地利用計画図・資金計画など
  3. 農業委員会が意見を付けて都道府県知事(指定市町村では市町村長)へ送付
  4. 許可 — 受付から通常1〜2か月程度。許可書の交付後に着工できる

費用は申請自体は無料で、代行報酬・付随費用の相場は 農地転用の費用はいくらかにまとめています。

許可の見通しは立地でほぼ決まる(立地基準)

農地区分 どんな農地か 転用の扱い
農用地区域内(青地) 市町村の農振計画で農業利用と定めた区域 原則不許可。転用の前に農振除外が必要(年単位)
甲種農地 市街化調整区域内の特に良好な優良農地 原則不許可
第1種農地 10ha以上の集団農地・土地改良事業の対象地など 原則不許可(例外は公共性の高い用途など)
第2種農地 市街地化が見込まれる区域・生産性の低い小集団の農地 第3種農地など代替地で目的を果たせない場合に許可され得る
第3種農地 市街地の区域・市街地化の傾向が著しい区域 原則許可

どの区分かの判断は農業委員会が行いますが、 市街化区域か・農用地区域(青地)の可能性があるかの2点で大勢の当たりは付きます。 青地かどうかの調べ方は青地・白地の調べ方、 市町村ごとの区域の内訳は市町村別の農地転用ページをご覧ください。

立地基準に加えて見られること(一般基準)

無断転用の罰則

許可を受けずに転用すると、工事の中止・原状回復命令の対象になり、 罰則は3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人は1億円以下の罰金)です。 無断転用の状態は売買・相続・融資の場面でも支障になります。 すでに転用してしまっている農地は、農業委員会に相談して追認の手続き(始末書付きの申請)を取るのが現実的な収め方です。

よくある質問

農地法4条と5条の違いは何ですか?

誰が転用するかの違いです。4条は所有者が自分の農地を自分で転用する場合(例: 自分の畑に自宅や駐車場を作る)、5条は転用を目的に売買・貸借する場合(例: 宅地にする前提で買い手に売る)です。5条は転用と権利移動が一体なので、許可は売り手・買い手の連名で申請します。

市街化区域の農地も許可が必要ですか?

市街化区域内の農地は、あらかじめ農業委員会に届出をすれば許可は不要です(4条・5条とも)。届出は要件を満たせば受理される手続きで、許可のような審査はありません。ただし生産緑地地区の指定がある農地は別の制限がかかります。

許可はどこに申請し、誰が出しますか?

申請書は農地がある市町村の農業委員会に提出し、許可権者は都道府県知事(農林水産大臣が指定する指定市町村では市町村長)です。農業委員会が意見を付けて知事に送る流れのため、受付締切(月1回が多い)から許可まで通常1〜2か月程度かかります。

許可されやすい農地・されにくい農地はありますか?

立地基準で農地が5区分され、扱いがほぼ決まります。農用地区域内(青地)は原則不許可で転用の前に農振除外が必要、甲種・第1種(集団的な優良農地)も原則不許可、第2種は代替地が無ければ許可され得る、第3種(市街地の区域)は原則許可です。自分の農地がどれに近いかは、市街化区域か・青地かの2点である程度当たりが付きます。

無断で転用するとどうなりますか?

農地法違反として工事の中止・原状回復などの命令の対象になり、罰則は3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人は1億円以下の罰金)です。無断転用された農地は売買や融資の場面でも問題になるため、後から追認の許可を取るより先に手続きするのが結局早く安く済みます。

参考: 農地法・農地法施行規則、農林水産省「農地転用許可制度」。 区域・地目などの表示は公的オープンデータを加工して作成した参考情報であり、 実際の筆界・権利関係・最新状況を示すものではありません。個別の可否は必ず農業委員会にご確認ください。

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の手続きは必ず市町村の農業委員会等の窓口でご確認ください。