農地転用の費用はいくらか — 申請は無料、かかるのは代行報酬と付随費用
最終更新: 2026-08-24
農地転用の費用で最初に押さえたいのは、 許可申請・届出そのものに行政手数料は無いということです。 「申請料」は0円で、実際の費用は次の3つで構成されます。
- 代行報酬 — 行政書士に頼む場合(自分で出すなら0円)
- 書類の実費 — 登記事項証明書・公図など数千円
- 付随費用 — 土地改良区の決済金・地目変更登記・造成費など、案件による
そして総額を大きく左右するのは農地の立地です。 市街化区域なら届出だけで済み、農用地区域(青地)なら転用の前に農振除外が必要になり、 期間も費用も桁が変わります。順に見ていきます。
費用の計算機 — 立地と依頼の有無で目安を出す
下の表の目安をそのまま使い、代行報酬・書類実費・土地改良区の決済金の3つを レンジで合計します。造成費は工事内容次第なので含みません。
行政書士の代行報酬の目安
| 手続き | 報酬の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 転用の届出(市街化区域・4条/5条) | 3〜7万円 | 書類が比較的少なく、期間も短い |
| 4条許可申請(自分の農地を自分で転用) | 8〜12万円 | 土地利用計画図などの添付図面で変動 |
| 5条許可申請(転用目的の売買・貸借) | 10〜15万円 | 日本行政書士会連合会の報酬額統計で平均約12万円 |
| 農振除外の申出が絡む場合 | +10万円〜 | 受付時期が限られ、年単位かかる。総額数十万円になることも |
※ 報酬は事務所・面積・立地・図面の量で大きく変わります。日本行政書士会連合会が5年ごとに公表する 報酬額統計でも同一業務内のばらつきは大きく、上の数字はあくまで目安です。 見積もりでは「何をどこまでやるか」「開発許可など別手続きは含むか」「不許可だった場合の扱い」を確認してください。
自分で申請する場合の実費
- 登記事項証明書(全部事項証明書): 1通600円
- 地図証明書(公図): 1通450円前後
- 位置図・案内図・土地利用計画図の作成/印刷代
- 法人の場合は登記事項証明書・定款の写しなど
合計数千円が目安です。市街化区域の届出は自分で出す人も多い手続きです。 許可申請は添付書類が多く、農業委員会の受付締切(月1回が多い)に合わせた平日のやり取りが必要になるため、 時間が取れるかどうかで代行を使うか判断するのが現実的です。
見落としやすい付随費用
| 費用 | かかるケース | 目安 |
|---|---|---|
| 土地改良区の決済金(地区除外決済金) | 土地改良区の区域内の農地を転用する場合 | 地域・面積で大きく異なる(10a単位で数万〜数十万円のことがある)。土地改良区に要確認 |
| 地目変更登記 | 転用完了後、田・畑→宅地等へ登記を変える | 自分で申請すれば登録免許税は不要。土地家屋調査士に頼むと数万円程度 |
| 開発許可(都市計画法) | 市街化調整区域などで建築を伴う場合 | 自治体の手数料+代行報酬。農地転用とは別の手続き |
| 造成・整地・水道引き込み等の工事費 | ほぼ全ての転用 | 数十万〜数百万円。転用の総費用では申請関係より大きいことが多い |
立地で費用がどう変わるか
- 市街化区域 — 農業委員会への届出で済み、費用は最小 (代行でも3〜7万円+実費)。
- 市街化調整区域・非線引き・都市計画区域外 — 許可申請 (4条・5条)。建築を伴えば開発許可も。
- 農用地区域(青地) — 転用の前に農振除外が必要。 受付は年2〜4回が多く、完了まで年単位。費用も期間も最大の分岐です (青地・白地の調べ方)。
自分の農地・買いたい農地がどの立地かは、 地図で区画を選ぶとスコアカードに参考情報が出ます。 市町村ごとの区域の内訳と手続きの窓口は市町村別の農地転用ページにまとめています。 確定には市町村・農業委員会への照会が必要です。
よくある質問
農地転用の申請自体にお金はかかりますか?
かかりません。農地転用の許可申請・届出そのものに行政手数料はなく、無料です。費用が発生するのは、行政書士に代行を頼む場合の報酬、添付書類の取得実費(登記事項証明書・公図など数千円)、そして案件によって加わる付随費用(土地改良区の決済金、地目変更登記、造成費など)です。
行政書士に頼むといくらかかりますか?
目安は市街化区域の届出で3〜7万円、許可申請(4条・5条)で8〜15万円程度です。日本行政書士会連合会の報酬額統計では5条許可の平均は約12万円ですが、面積・立地・添付図面の量で大きく変わり、農振除外や開発許可が絡むと数十万円になることもあります。必ず見積もりで内訳(何をどこまでやるか、不許可時の扱い)を確認してください。
自分で申請すれば無料ですか?
行政手数料が無いため、かかるのは書類の実費だけです(登記事項証明書600円、公図450円前後、位置図・案内図の印刷代など、合計数千円が目安)。市街化区域の届出は書類が比較的少なく自分で出す人も多い一方、許可申請は土地利用計画図・資金証明など添付が多く、平日に窓口とやり取りする時間が取れるかが分かれ目です。
申請の代行以外にどんな費用がありますか?
代表的なのは、土地改良区の区域内の農地でかかる決済金(地域・面積により大きく異なり、10a単位で数万〜数十万円のことがあります)、転用後の地目変更登記(土地家屋調査士に頼むと数万円程度)、農振除外や開発許可が必要な場合の追加手続き、そして造成・整地の工事費です。転用の総費用は申請よりこれらの方が大きくなることが珍しくありません。
100坪の農地を転用するにはいくらかかりますか?
100坪(約330㎡)なら、市街化区域の届出を行政書士に頼んで3〜7万円+実費数千円、許可申請なら8〜15万円+実費が目安です。面積で報酬が大きく変わることは少なく、それより土地改良区の決済金(区域内なら10a単位で数万〜数十万円)と造成費の方が総額を左右します。上の計算機に条件を入れると内訳付きで目安が出ます。
農地転用費用は誰が払うのですか?
法律上の決まりはなく、契約で決めます。自分の農地を自分で転用する4条は所有者が払います。転用目的の売買(5条)では、申請は売主・買主の連名で、代行報酬や決済金は買主負担とすることが多い一方、地目変更登記や測量は売主負担とする例もあります。売買契約書に費目ごとの負担を明記しておきます。
費用を見積もる前に何を確認すべきですか?
農地の立地です。市街化区域なら届出で済み費用も小さく、農用地区域(青地)なら転用の前に農振除外が必要で期間も費用も大きく変わります。市街化区域かどうか・青地の可能性・土地改良区の区域かは、窓口に行く前に地図(参考情報)で当たりを付けられます。
参考: 日本行政書士会連合会「報酬額の統計」(同会は5年に1度、業務別の報酬額統計を公表しています)。 区域・地目などの表示は公的オープンデータを加工して作成した参考情報であり、 実際の筆界・権利関係・最新状況を示すものではありません。個別の手続き・費用は農業委員会・行政書士・土地改良区にご確認ください。
本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の手続きは必ず市町村の農業委員会等の窓口でご確認ください。